2008.12.26
<掘り出しニュース>猫カフェ人気の秘密を探る
12月25日20時38分配信 毎日新聞
【東京】猫と遊びながらくつろいだ時間を過ごせる猫カフェが人気を集めている。05年に大阪で第1号店が誕生して以来、全国で出店が相次ぎ、現在は約30店に増えた。マンション暮らしで猫を飼いたくても飼えない。そんな猫好きたちが一時の癒やしを求めてやって来るという。週末には100人以上の客が訪れる関東初の猫喫茶「ねこのみせ」(町田市原町田)を訪ね、人気の秘密を探った。【堀智行】
◇一時の癒やしに、心軽く
「ねこのみせ」はJR町田駅近くのビル2階にある。店内に入ると早速、下駄箱の上で茶色の雌猫、小梅(3歳)が肉球を気持ちよさそうになめていた。
店内にはソファ、漫画本、パソコンのほか、こたつやマッサージチェアもあり、自宅のリビングのようだ。取材は平日の昼過ぎだったが、客10人がパソコンの上で丸くなって寝ている猫をスケッチしたり、携帯ゲームをしたりと、思い思いに楽しんでいた。女性客ばかりかと予想していたが、半分は男性の個人客だった。
さおの先に鳥の羽根がついたおもちゃで黒色の雄猫、ヴィクトリカ(4歳)と遊んでいた八王子市の男性会社員(30)は「今はマンション暮らしでネコを飼えない。ここなら好きな本を読んで疲れたらネコを触ってリラックスできる」と話す。自宅で猫を飼っていても、ほかの猫と遊んでみたいと来店する客もいるという。
◇ ◇ ◇
「ねこのみせ」は05年に開店した。オーナーの花田憲昌さん(37)夫妻が台湾旅行で猫喫茶に立ち寄ったことがきっかけになった。日本ではマンションの問題もあり、10~20代の若い世代ほど猫を飼いたくても飼えない人が多い。当時、花田さんが住んでいたマンションでもペットの飼育は禁止されていた。誰でも気軽に猫と触れ合える場所を、と開店した。
◇ ◇ ◇
「カチャッ」。キッチンから食器を動かす音が聞こえると、どこからともなく中央のテーブルの周りに12匹の猫が集まってきた。1日4食限定で餌をあげられる「ネコおやつ」だ。スタッフの前島友里恵さん(21)がチキンやポークの入った餌を差し出すと、木さじにかじりついて餌をほおばる。
私も手のひらにエサを乗せてもらった。すぐに白と黒のまだら模様の白玉(雌3歳)が飛びついてきた。手のひらの餌を舌できれいになめとった。なんとなく、くすぐったい。仲良くなったつもりで抱きかかえようとすると、身をよじって本棚の陰に隠れてしまった。「おやつがほしかっただけなの」。店長の鳥海紀子さん(40)が白玉の気持ちを代弁してくれた。猫も人間もなれなれしすぎるのはよくないようだ。
◇ ◇ ◇
開業時には4匹だった猫も現在は12匹。そのうち7匹はもともと野良猫だ。常連客が捨てられているのを拾ってきたほか、虐待されている可能性があるとして引き取ったケースもある。血統や種類に関係なく、花田さんが気に入った猫を店に入れている。花田さんは「ここの猫は従業員ではなく家族。養子をもらうような気持ちで招き入れています」と話す。
人懐っこく食いしん坊なあがり(雌約5カ月)や、気に入った客の指をなめまわす特技で客からの指名も多いポッキー(雌2歳)など個性もさまざまだ。「最初は緊張した顔で入店してきた男性客も猫と触れ合い、ほんわかとした顔で帰っていきます」と鳥海さん。結局、白玉を振り向かせることはできなかったが、自由気ままな猫たちに触れ、心が軽くなったような気がした。
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■メモ
◇入店後10分ごと150円
「ねこのみせ」の営業時間は平日・土曜日が正午~午後10時。日曜・祝日は午後8時まで。定休日は火、金曜日。金曜日は店長の鳥海さんがいれる紅茶を楽しめる紅茶専門猫喫茶「みどりのにじ」として営業している。
飲食を除く料金は入店後10分ごとに150円。数量限定で、来店者に店内の猫が写った卓上カレンダーをプレゼントしている。
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